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重さと軽さ

戦国の世、人の命は軽かった。 医療もなく、平和でもなく、食べ物も乏しかった。 死は日常ありふれていて、誰でも、何時でも、死ぬ可能性があった。
だからこそ、人生の意義を真剣に考え、そして真剣に、必死に生きたのではないだろうか。 別に、歴史に残る人でなくても、真剣さが備わっていた。 つまり、言動に命を賭けていた。 彼らの命は軽かったが、中身において重かったと思う。

いっぽうで、今は、現代はどうか。

平和ボケして久しく、武技を練っても所詮は如何せん。 不況といいつつも仕事はあり、食べるものに事欠かず、医薬も足りている。 また核家族化が進み、生死は現実から切り離されている。 日常に起こりうることではなく、時折訪れるイベントでしかない。 人命は地球より重いと喧伝され、実際に尊重されるようになりつつある。 少なくとも経済活動が盛んな地球上の地域では、生命が軽んじられる事がない時代である。
生死は表裏の関係だが、我々はその感覚というか認識を失って久しい。 我々には生命に対する緊張感が足りない。
つまり、我々の人生は軽いのだ。 自分の命を的にしていないから、何をやっても軽いのだ。 深さや重さにおいて、昔日の領域には至り得ないのだ。

命の軽重と、言動の軽重。 これらも表裏の関係なのだ。