http://image.news.livedoor.com/newsimage/b/5/b5365_367_b7e70d4cea0ed137205a9b9780846dae-m.jpg

 東日本大震災の記憶が残る東北地方で相次いだ2つの地震。15日に福島県沖を震源とするマグニチュード(M)5・1、最大震度4、2日前の13日には岩手県沖でM6・8、最大震度5強の揺れが襲ったが、14日発行の夕刊フジに登場した地震予知の研究者は立て続けに発生した揺れを連続的中させていた。最新の予測では、噴火が懸念される箱根山に近い伊豆周辺で不気味な兆候が現れていると指摘する。

 「地震を予測している地域では、期間終了まで複数回にわたり地震が発生する恐れがある。今回はそれが表れた結果だ」

 電気通信大学名誉教授で、日本地震予知学会会長の早川正士氏は15日に発生した地震についてこう話す。早川氏は今月5日、自身が主宰する地震予測情報サービス「地震解析ラボ」で、「岩手県沖から福島県沖にかけ、8~19日の期間に、内陸でM5・0前後、海底で5・5前後。最大震度は4」の地震が起きると発表。地震発生の時期も規模もピタリと言い当てた格好だ。

 工学博士の早川氏は、地震が起きる直前に発生する電磁波に着目し、地震予知に関する独自の理論を確立した。
 これまでの実績は数知れない。今年2月17日午前に東北地方の三陸沖でM6・9、最大震度4、同日午後には岩手県沖でM5・7、最大震度5強地震が発生した。
 早川氏はこれに先立つ同12日、宮城県沿岸部を中心に「2月14日から20日までの間に内陸でM5・5前後、海底でM6・0前後。最大予測震度は4」と、具体的な数値を提示していた。
 今後は、いつ、どこで警戒が必要なのか。
 「今月18日から29日にかけて、九州と四国、中国地方の一部で内陸でM5・0前後、海底でM5・5前後、最大震度4が予想される」(早川氏)
 加えて最も注目しているのが、同16日から27日まで、神奈川県や静岡県、千葉県の一部や、伊豆諸島のエリアだという。
 「内陸か海底でM5・5前後、最大震度5弱を予想している。ただ、地震の前兆では説明がつかない電離層の異常が、箱根山周辺から測定された。電離層と噴火の関係はよく解明されていないが、マグマが影響を与えている可能性はある」(早川氏)
 箱根山といえば、先月末から火山性地震が頻発、地表近くにある地下水の温度が急激に上がり、蒸気が爆発的に噴き出すことで起きる水蒸気噴火の危険が指摘されている。
 「すでに予測を出しているエリアも危険な状況が続いている。20日から22日までは、北海道南部、山形県から長野県北部、奄美大島から沖縄県にかけての島嶼(とうしょ)部の3エリアで、M5・0~5・5前後、震度4~5弱の地震が予想される」(同)
 備えに万全を尽くしたい。

 【早川氏の理論】地震が起こる約1週間前、前兆現象として地殻のヒビ割れが起こる。このヒビが電磁波を発生させ、地球上空の電離層に作用する。電離層は通常、上空60~800キロメートルに存在するが、電磁波の影響を受けると地上に数キロメートル近づく。地上から送信される電波は電離層ではね返り、再び地上で受信されるため、異常があった場合は、電波の送受信がいつもより短時間で行われることになる。各地の観測所で得られた結果から地震震源地と発生時期を予測している。