検索商売

探すのも簡単じゃないよ、でも探すだけじゃ商売にならないよ

記事転載

 地震の発生に無関係じゃないよな…


【特集】“鬼界カルデラ”初調査に密着 海底火山の「鼓動」

  「カルデラ火山」をご存知でしょうか?日本では7300年前に噴火し、当時、南九州にいた縄文人を滅ぼしたとされています。一度、噴火すると破滅的な被害をもたらすカルデラ火山の初調査にMBSのカメラが入りました。海底からは「熱水」が噴き出しているのが確認されました。

 今年10月、神戸大学の調査チームが向かったのは鹿児島県の薩摩半島から50キロにある海底火山、「鬼界カルデラ」です。東西23キロ、南北16キロの大きさで一部が海面に顔を出していてそれぞれを竹島硫黄島と呼んでいます。もし、この海底火山が噴火すればどうなるのか…

 「(周辺に)700万人くらいが住んでいる、そこは『瞬殺』ですよね。最悪の事態としては1億人が命を落とすことになる」(神戸大学海洋底探査センター 巽好幸教授)

 カルデラ火山の噴火は山体噴火と呼ばれる桜島などの噴火とは異なります。そのエネルギー量が1000倍以上にもなる超巨大噴火です。今から7300年前の縄文時代に鬼界カルデラは大噴火を起こし、数百度火砕流が50キロ先の南九州を飲み込みました。当時、南九州一帯に住んでいた縄文人が一瞬にして滅亡したとされています。

 「火砕流が届いたところは大打撃を受けているので、おそらく壊滅的な状態」(上野原縄文の森 東和幸さん)

 この噴火の巨大さを物語るのが「アカホヤ」と呼ばれる大量に噴出した火山灰。東北地方まで飛散していて、近畿地方では約20センチも積もったことがわかっています。大噴火した海底の「鬼界カルデラ」その調査が始まりました。

 「人工的に地震波を起こすエアガンです。この機械を使って海底の地質調査を行います」(太田尚志記者リポート)

 調査では、船に搭載した装置から海中に音波や地震波を飛ばし跳ね返ってきた波を受信機で測定。そのデータを分析し、海底の地形やマグマだまりの状態などを推定します。

 これは海底火山の「鼓動」なのでしょうか。調査では熱水が海底ドームの少なくとも5か所から噴き出し、100メートルの高さまで達していることが確認されました。さらに今回の調査でカルデラの詳しい形状がわかりました。

 「これが大体外輪山に相当する分で、これが真ん中の盛り上がっている分に相当して」
神戸大学海洋底探査センター 島伸和教授)

 神戸大学は今後も、カルデラ火山のメカニズムなどについて解明していく方針ですが、この「鬼界カルデラ」次に噴火することはあるのでしょうか?

 「今後100年に起こる確率が1%。阪神・淡路大震災の起きる前日の確率も1%。100年で1%の確率で起こることは、明日起こってもおかしくない」(神戸大学海洋底探査センター 巽好幸教授)




【特集】“頻発”地震の意味は… 新たな震源域とM9地震

  今年は地震が多かった印象がありますが、気象庁によりますと、今年震度5弱以上を記録した地震は福島沖や熊本・鳥取など32回(12月28日18時現在)。震度3以上を記録した回数では、平成で歴代3位の多さなんです。この多さは何を物語るのでしょうか。

 4月、強力な破壊力を持つ震度7地震が立て続けに起こった熊本県地震を起こしたのは日奈久断層と布田川断層と呼ばれる2本の活断層。さらにMBSのカメラが捉えたのは…

 「今回の地震で約2.5メートル下に道路が陥没したところです」(太田尚志記者リポート)

 阿蘇山近くでは2メートルを超える地割れも見つかり、「未知の活断層」が動いた可能性も指摘されています。

 10月には鳥取県中部で震度6弱地震が発生。

 「道路を見ますと、大きいところで段差が20センチほどあります」(三澤肇解説委員)

 一連の地震は南北約10キロに集中していて、こちらも未知の活断層が動いた可能性があります。

 京大防災研の西村准教授は、2つの内陸地震は南海地震の前兆だと指摘します。

 「次の南海地震が今後数十年で起きるとすると、内陸の地震活動が増えていく。その一つが今回地震鳥取地震)だったり、今年4月の熊本地震であったり」(京都大学防災研 西村卓也准教授)

 西村准教授はGPSの観測データから、一枚のプレートと思われていた西日本が複数のブロックに分断されていると指摘。海側の大きなプレートが陸側にもぐりこむ力が内陸に伝播し、ひずみが集中するブロックの境界で地震が発生したとみています。

 南海地震震源にあたる紀伊半島沖約130キロの海域。名古屋大学の田所敬一准教授は南海トラフを挟む形で深さ3500メートルの海底に観測機器を設置し、地殻の動きを1センチの精度で監視しています。そして調査で、従来の東海、東南海、南海地震の3つの震源域に加え、その南側の新たなエリアが震源になる可能性を発見したのです。

 「ここの観測点、南海トラフに非常に近い場所、西北西に年間4センチくらい動いてくるのがわかってきた。この紀伊半島沖でプレート境界の近くが歪みをためているというのがわかったのは初めて」(名古屋大学 田所敬一准教授)

 最悪の場合、M9になることもある南海トラフ巨大地震は、桁外れの破壊力をもち、津波も巨大化する可能性があります。高知県黒潮町。こちらの海岸では、高さ34メートルという巨大な津波が予想されています。

 来たるべき、「南海トラフ巨大地震」。新たな震源域を含め地震が連動して発生すれば、その被害ははかり知れません。