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仕掛人 藤枝梅安

 いやぁ素晴らしい作品だったなぁ。

 売れるとわかっているから、スポンサーが沢山ついて、潤沢な資金のもとに、凝った絵作りができたのだろう。 それにしてもよくできた作品だった。

 トヨエツ、愛之助の好演も光った(愛之助は好きではない俳優だが、役者としては一流だねぇ)。 トヨエツの演じる梅安は、まさに池波の描いた通りではなかったか。 「〜だねぇ」という特有のセリフは、「あぁ、こうだったンだろうなぁ」と思わせるほど、説得力のある口ぶりだった。

 

 絵作りに戻ると、まず、のっけから月明かりの演出(色)がよくて、観客は惹き込まれたと思う。 この、押し殺した暗めの画面に、光がさまざまに入る演出は、CGをしっかり使って、印象深い画面を魅せている。 実妹を仕掛けるシーンも、明かりの色の変化が素晴らしい。

 殺陣も、しっかりと演じることができる若手役者を使い、血煙の効果もあり、納得のいく立ち回りだった。

 また、地味目だが、食べ物のシーンもしっかり印象が残る。 お粥、鍋物、柚子切り蕎麦…。 江戸時代であることを考慮して、派手さはないが、確かに美味そうだった。

 

 4月頭に公開される2作目が待ち遠しくて仕方がない。