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これもなかなか含蓄のある言葉だのぅ。
転載元はヤフーのニュース、さらに元記事は週プレ。


渋谷のんべい横丁「鳥重」名物お母さんが語る“人生を成功に導く秘訣”

週プレNEWS 2012年11月4日(日)6時10分配信

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渋谷・のんべい横丁の焼き鳥店「鳥重」店主の東山とし子さん。『ぶつよ! 奇跡の焼鳥店「鳥重」名物お母さんの元気のでる言葉』(講談社・1470円)が発売中!

東京・渋谷の山手線沿いにある、のんべい横丁。昭和の雰囲気そのままに、客が10人も入れば満席となる小さな店で60年以上にわたって営業している焼き鳥店が「鳥重」だ。

実はこの店、グルメサイト『食べログ』の全国の焼き鳥店で1位にランキングされたほどの味を誇り、作詞家の秋元康氏やとんねるず石橋貴明氏、ニューヨーク・ヤンキースイチロー氏らが常連客として来るほどの名店である。

そして店主である東山とし子さんは、こうした有名人たちの素顔を長年見続け、時には励まし、時には叱ってきた名物お母さんだ。

そんな鳥重が今年いっぱいで閉店するという。

そこで、これまで成功した人たちを見続けたお母さんに、出世する人や他人から信頼される人はどこが違うのかを教えてもらった。

その人の本性が出る酒の席で、どんなことを話し、どんな行動をとったのか? 人生を成功に導く秘訣とは……。では、早速、鳥重ののれんをくぐろう。

イチローの考えるプロとは? 秋元康が徹底することとは?

―どうも。お母さん、今日はよろしくお願いします。

お母さん(以下、母) こちらこそ、よろしくお願いいたします。

―まず、このお店に一番よく来る有名なお客さんって誰ですか?

母 そうですねえ。年数が長い方は、芸能プロダクション、ホリプロ創業者の堀威夫(ほりたけお)さんですね。61年前の開店時からですから。

―へ~、堀さんって、どんな人なんですか?

母 ひと言で言えば、礼儀正しく謙虚な人ですね。威張るということを一切しません。こんな小汚い店でも、お連れの方をきちんと紹介なさるんです。「こちらは○○放送の社長さん」「こちらは○○の会長さん」って。私のような者にもきちんと礼儀を通される方です。偉くなれば、なるほど頭を下げるというか、「実るほど頭こうべの下がる稲穂かな」という言葉がありますが、まさしくそういう方です。



―成功する人は礼儀正しく謙虚ということなんですかね……。

母 さようでございますね。また、同じ日に有名な女性ジャズシンガーのAさんがお見えになったことがあったんですが、そのときも「Aさんですよね」などと決して聞きません。見て見ないふりをなさる。プライバシーをとても尊重される方です。

―そういえば、秋元康さんもよく来るそうですね。

母 はい。秋元さんは、本当に普通の方という印象ですね。少し前に『象の背中』という小説をお書きになったんですが、そのときに「お母さんのお店を小説の中で登場させたいんだけど、いいでしょうか」って電話がありました。

―きちんと連絡するんですね。

母 それから、去年のことですが、夜中の1時過ぎに仕事が終わってふと外を見ると男の人がボーッと立っているんです。それで「なんでしょうか?」って聞いたら、「鳥重さんは今年で商売をやめるっていうのは本当ですか?」って言うんです。だから、「いえ、来年一年間は皆さまのご要望にお応えして頑張ると思います」と答えたら、「失礼しました。秋元(康)に聞いてこいと言われたもので、それで伺いました」って。

―秋元さんは、きちんと確認をとるんですね。

母 そうですね。どんなに忙しくても、そういうところはきちんとなさってるんじゃないでしょうか。

―いいかげんな情報では動かないっていうことなんですね。

母 秋元さんを連れてらっしゃったのは、とんねるずの貴さん(石橋貴明氏)なんですよ。貴さんと秋元さんがお客さまを連れていらしたときには「この店はすっげえ高えからよぉ、秋元さんが払ってくれ」っていつも言ってましたね。でも、うちの店は高いどころの騒ぎじゃないんですよ。だいたいおひとり2000円ちょっとくらい。安いし、おいしいという噂も手伝って皆さんいらしてくれるんですけど、貴さんはわざとユーモアでそう言うんです。

―貴さんは、どんな人なんですか?

母 テレビのイメージのまんまですね。バカなことばかり言ってます。でも、バカになるほど難しいことはないんですよね。本当のバカは利口ぶりますけど、本当に利口な人は平気でバカをやれるし、それが様になる。それに、貴さんはいろいろな方をうちのお店に連れていらしてくれるんです。とても人とのつながりを大切にしてますね。

―それは人脈を大切にしているってことなんですかね。

母 そうですね。



ニューヨーク・ヤンキースイチロー選手も常連ですよね。

母 初めていらっしゃったのは、今から5年くらい前になりますね。そのときに私が火鉢でちょっと火傷をしたんです。そうしたらイチローさんが「大丈夫ですか?」って言ってくださったんで私は「大丈夫ですよ。こう見えて私もプロですから」って答えたんです。

―お母さん、カッコいいですね。

母 そうしたらイチローさんから「お母さんにとってプロとはなんですか?」と聞かれたので、「そうですねぇ。私にとってプロとは、食べ物仕事に限らず、歌手でも俳優でもスポーツ選手でも、人さまにまねのできないことをしっかりと成し遂げることだと思います」と言ったんです。するとイチローさんは何もおっしゃらずに「ん~」と何かを考えているようでしたね。

イチロー選手にとってのプロとはなんだったんでしょうね?

母 私も聞きたかったんですけど、そのときが初対面だったので聞けませんでした。でも、その年(2008年)のお正月に放送されたNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で答えていたんです。「プロとはファンを圧倒し、選手を圧倒し、圧倒的な成績を残すこと」と言ってました。

―お母さんの言っていた「人にまねできないことをする」と少し似ている感じがしますね。あと、どんな人が来るんですか?

母 ホリエモン堀江貴文)さんもよく来ましたね。収監される直前にもいらっしゃいました。そのときに一緒にいらした方に「おまえ、どっか体悪いぞ。何かおかしい。明日必ず病院に行け」って言っていて「いや、僕は大丈夫です」「だめだ。いつもと顔色が違うし、顔もむくみ気味だから絶対に明日病院に行け」ってお話しされてたんです。

―ふ~ん。

母 そうしたら、その直後にその方が脳梗塞になったって連絡があって……。ホリエモンさんの洞察力はすごいなと思いましたね。あと、俳優の唐沢寿明さんも、よくお見えになります。あるときは、夜遅い時間でしたけれどお店をのぞかれて「お母さん、こんばんは。近くに寄ったものですから、ご挨拶だけでも」って顔を出されたんです。そういう心遣いをされる方ですね。

―やっぱり成功したり、人から信頼される秘訣は、そうした気遣いもできることなんですかね。

母 そうでしょうね。例えば、大根おろしを「どうぞ」って渡すときに「ありがとう」と言って受け取る方もいれば、隣の人と話しながら受け取る人もいます。ちょっとしたことで人の気持ちは変わるものです。それができるかどうかで違うのかもしれません。

―僕も立派になれるよう頑張ります。

母 まだまだ、お話し足りないこともありますが、やはりページにも限りがございますものね。本日は本当にありがとうございました。

(取材・文/村上隆保 撮影/森モーリー鷹博)