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探すのも簡単じゃないよ、でも探すだけじゃ商売にならないよ

時給1500円?

 気持ちはわからンじゃないが、無理な話だよ。 何年前だったか、ウォール・ストリートでデモがあったけど、アレと同じことさ。
 産業である以上、何事にもコストがあり、仕事に見合った賃金が支払われるべきであって、賃金額ありき、ではない。 賃金相当の仕事をアウトプットするために必要な技量も技能もないのに、オカネをよこせ、というのはおかしい。 泥棒と同じだ。

 ただ、最近の俺ちゃンの考えは、以前と少し変わって来た。
 思っている以上に、格差というのが大きくなって来ている。
 すなわち、親の収入レベルにより、子供が受けられる教育・訓練の機会に大きな差がつくようになって来たのだ。 これはかわいそうだと思う。
 無論、「低収入な親は、所詮そのレベルでしかない。 従ってその子供も、遺伝的には大したレベルではない。 よって教育してもその効果は低いので、貧困の再生産スパイラルによって淘汰されても構わない」という、残酷な考え方もあるだろう。
(っていうか、今はそうなっているわけだよね)

 たしかに、そういう傾向はあるかもしれない。 遺伝的には、オツムのレベルは7~8割が親の遺伝との研究報告がある。
 しかし、逆に言えば2~3割は遺伝していない要素があり、その部分が十分に引き出されれば、より良い人生を送るだけの技能が身につくのではないか、と思う。
 また、突然変異、というのはいつでも起きる。
 従って、無駄だと言われるかもしれないが、せめて、教育訓練や、職業技能訓練については、できる限りの支援が与えられるような環境であるべきではないか、と俺ちゃンは思う。
 税金を使って、賃金の補填をするというのは全く理解できない、受け入れられない考えであるが、教育技能訓練への補助金であるならば、反対する人は少ないのではないか。

 また、同一労働・同一賃金という考え方があるが、俺ちゃンは、これには同意しかねている。
 これまた、確かにその通りなのかもしれないが、日本の現在の状況に必ずしもマッチしていないのではないかとおもう。
・正社員と派遣社員とが同じ仕事をしている状況はどれくらいあるのだろうか? 職種とか仕事の内容とか、結構、棲み分けがなされているのではないだろうか。
・同じく、コスト構造はどうなるのだろうか。 正社員向けの仕事、派遣・請負向けの仕事、と分類して労務費を設定している場合、同一、というのは観念しづらいのではないか。
派遣社員フリーランスとして働きたい、という人もいるだろう。 いわゆるスペシャリスト的な人達は、縛られず、高収入で働きたいかもしれない。 ただ、割合は少なそうだ。
・すでに確立している日本の労働社会では、ライスステージを積み重ねて来た人が、安定した会社で働き続けられる傾向にあり、保守的かもしれないが、そういった既得権益構造がある。 この構造から安定した税収が得られているといっても過言ではない。 この仕組みを破壊するのは受け入れられにくいのではないだろうか。

 デモをしている人たちには、薄給でもいいから働いてお金を貯めて、そのお金で勉強したり、技能訓練をしなさいよ、と言いたい。
 残念ながら、社会として教育訓練を支援する仕組みになっていない以上、そこは自助努力で這い上がるしかない。